みなさんこんにちは歯科医師の大原です(@yutaohara023)
今日のテーマは「イエテボリテクニック」
皆さんは歯磨き粉の正しい使い方を知ってますか?
ゆすぐ回数が少ない方が聞いたことはある。
でもどれくらい効果あるかわからないし、ある程度ゆすぎたい。
そんな貴方へ、論文でゆすがないメリットを解説していきます。
【イエテボリテクニックとは】
スウェーデンのイエテボリ大学で考案された歯磨きの方法です。
スウェーデンのイエテボリ大学では長年予防医療の研究が行われており、フッ素の効果も20世紀半ばくらいからに盛んに研究されるようになりました。
フッ素歯磨剤も1970年代に多くの国で予防効果が示され、より効果的な使用方法についての手法が考案されたわけです。
その方法は
- 歯ブラシに2cmの歯磨剤をつける(成人の場合)。
- 歯磨剤を歯面全体に広げる。
- 2分間歯みがきをする(特に歯みがき方法にはこだわらない) 。
- 歯磨剤による泡立ちを保つ。
- 歯磨剤を叶き出さずに10mlの水を含む。
- 30秒間そのまま洗口する。
- 出き出した後はうがいをしない。
- その後2時間は飲食をしない。
というもので、歯磨き粉を洗い流すためのうがいをしないという当時衝撃的なものでした。
【イエテボリテクニックを使用した後の口の中】
ゆすぐ回数によって口の中のフッ素濃度は全く異なります。
5mlで1回ゆすいだグループと、15mlで3回ゆすいだグループでは、プラーク中のフッ素濃度は2.7倍も異なってました。
15mlで3回というのは、ヤクルト1本(65ml)にも満たない量です。
皆さんは何回ゆすいでますか?
【イエテボリテクニックの虫歯予防効果】
イエテボリテクニックを使用した4歳の子供の3年間の隣接面う蝕の発生率は26%も減少しました。(Sjogren 1995)
矯正患者に使用すると2年間での虫歯発生率が78-87%減少しました(Mulla 2010)
サウジアラビアでの研究でも2年間での虫歯発生率が44%減少しました(Sonbul 2011)
イエテボリテクニックは同じ歯磨き粉を使用しているにもかかわらず、全く虫歯の発生数が異なるということを示しています。
【なぜイエテボリテクニックが効果的なのか?】
イエテボリテクニックが効果的な理由は、とにかく口の中に多くフッ素が留まるからです。
歯磨剤の量 :1cm から2cm に増やすと47.2%増加
歯磨き時間 :1分間から2分間に増やすと26.8%増加
すすぎ水の量:20mlから10mlに減らすと41.2%増加
つまり、フッ素をたくさん残す磨き方がより虫歯になりにくい環境を作っています。
日本でも2023年1月に4学会合同で出された「フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法」に、
歯みがきの後は、歯磨剤を軽くはき出す。
うがいをする場合は少量の水で 1 回のみとする。
と書かれており、ゆすがない。
ゆすぐとしても1回で少量の水で!と
されています。
【まとめ】
以前とはフッ素に対する考え方が変わってきています。
また情報発信していこうと思いますので、よろしくお願い致します。
ではまた👍