みなさんこんにちは!歯科医師の大原(@yutaohara023)です!
さて、今日は歯周病の検査について解説します!前回は歯周病の病態をイラストで解説しました
歯ぐきにチクチク、痛い思いをして一体何がわかるの・・・?
出血があるってそりゃチクチク刺したら血が出るんじゃないの・・・?
染め出してほら汚いってやろうとしてる・・・?
レントゲン何枚も撮って何をしてるの・・・?
と、みなさんが少し不満に思うことがあるかもしれない、そんな歯周病の検査について解説します
<歯周ポケット検査>
嫌がる方も多いチクチクする検査ですね。どこの歯医者でも必ずやります
プローブという器具を使って歯ぐきに20gの力で
①挿入した後に出血しないか?
②どれくらいの深さ挿入できるか?
を調べます
①出血
出血がある部位は「細菌によって上皮バリアが破壊されている」部位になります
つまり菌が住み着いちゃっている部分(感染部位)です
正常値は出血する部位が全体の10%未満(2018年歯周病新分類)
出血はとても大事な指標です。なぜなら出血しなければほぼ歯周病は進行しないからです!
年に4回検診をして4回とも出血しなかった部位は1.5%しか歯周病の進行がみられませんでした。
逆に4回とも出血した部位はその20倍の30%が歯周病が進行しています(たったの2年間で)
歯磨きでの出血も同じですね、歯ぐきから出血というのは正常ではないということです
②ポケット深さ
バイ菌の感染が進んでいると炎症が強くなりコラーゲン繊維が破壊されて抵抗力がないため深いところまで入っていきます
4mmを超えると歯ブラシが届かない範囲にバイ菌が住んでいることになるので基本的には自分で治すことが出来ません
4mm以下になるまで歯周病治療に通う必要があります。
あと、針のようなもので刺して傷を作ってるからだ!痛い思いをさせやがって!と思ってる方、違います。笑
強くやりすぎて出血させてしまっていることもたまにあるかもしれませんが、20gで優しく挿入しております
痛い方は炎症が強い可能性があります。傷(潰瘍)になっているところを触っているわけですから20gでも痛みを感じるんですよね。
<染め出し検査>
栗林歯科医院で使用しているプラークチェックジェルはバイ菌を紫とピンクに染め分けることが出来ます
ピンク色はまだ着き初めの菌なので大丈夫ですが、紫色に染まったプラークは3日以上経過している菌です
その下にはスピロヘータ・運動性桿菌といった極悪な歯周病菌が多く潜んでいます
この検査をやる目的は、ほら汚いでしょ?とやりたいわけではなく、笑
どこに溜まりやすいか、どこが苦手かを可視化することで磨けていない部分に気付いてもらうためにやっています
<デンタルX線検査>
歯周病は歯磨きができていない部分だけが進行します
なので一部分だけレントゲンを撮っても意味がないのと、
パノラマX線写真という全体を撮る写真ではiPhoneのパノラマ写真と同じで歪んでしまいます
骨の正確な位置を見たいので1枚ずつ撮影して、今までにどれくらい歯周病が進行したかを分析します
根の長さは平均12mmで、骨がなくなればなくなるほど歯が揺れやすくなります(6mm以上は重症)
ちなみに骨は一度下がってしまうと元に戻りません!
なので過去に歯周炎になった人の評価もできます
あとは歯ぐきの下の歯石とかも写るのと、おまけで隠れ虫歯も発見することがあります。笑
こんな感じで歯周病を検査しています
自分の検査結果を正常値と比較することで自分が危険な状態なのかどうかがわかります
<歯周病は生活習慣病??>
糖尿病・高血圧が日々の食習慣が悪いと10数年経って症状が出てくるのと同じように
歯周病も日々の歯磨きができていないと10数年経って症状が出てきます
歯周病は意識を変えるだけでは治りません
自分でなんとなくで作った意識・モチベーションというのは株価のように乱高下し、継続できないし、
そもそも何ができていないのかがわかりません。笑
テニスと同じで、歯磨き指導も他人に悪い部分の指摘を受け、どう改善したらいいかアドバイスをもらってそれを意識下で継続して、無意識の習慣に変えることが必要です
検査で危険信号が出ていることがわかるので近くの歯科医院で定期的にチェックしましょう!
質問があればコメントお願いします!!!ではまた!
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