歯周病予防

歯周病治療はなぜ1回で終わらないのか?イラスト解説・歯周病治療のゴールとは?

みなさんこんにちは!歯科医師の大原(@yutaohara023)です

ゴールド修復の勉強会に行ってきました!

ちなみに現在の歯科材料で最もいいものはほとんどの歯科医師がゴールドだと答えると思います。それくらいゴールドはいい材料なのですが、

その中でも装着後40年以上機能していた割合が94.1%という脅威の生存率を叩き出したタッカー先生の技術に触れる勉強会に参加させていただきました!

これぞ歯科医師が求めるべき治療!と興奮しました!笑

もっと勉強して同じような治療ができるようになりたいと思いました!朝練はセミナーを活かすためにしばらくゴールドインレーの形成をします!

また動画にしてあげようと思います!

さて、今日は患者さんからよく言われる疑問に答えます!

「歯周病治療って1回で終わらないんですか?」

この質問、短い時間でパッと答えるのが難しいんですよね。特に電話で聞かれた時とかはイラストも写真もないので伝わらない。笑

ただのお掃除だと思われてしまい、お掃除なら1回で全部やってよ!って言われてしまう

衛生士のみなさんはどういうふうに答えてますか?患者さんのみなさんは満足のいく回答を得られているでしょうか?

診療中は時間がなくてなかなか説明しづらいところだと思うので、

今回は僕なりに論文ベースに答えていきたいと思います!

<エビデンス>

結論から言うと、「1回で治らないから何回もやってます!1回で治るんだったら僕たちもそのほうがいいです!笑」

① クリーニング+歯磨き指導1回だけのグループ

② クリーニング+歯磨き指導を2週間毎に行ったグループ

①のグループは磨き残しの量も、検査時の出血の量も歯磨き指導を受ける前と変わりませんでした。

そしてせっかくクリーニングで綺麗にしたのに8周目までに細菌も悪性のものが元通りに増えていました

②のグループは磨き残しの量も、検査時の出血の量も減っていました。そして細菌もかなり減少していました。

<なぜ1回だけで変わらないの?>

理由の1つは、論文での結果からもわかるように、人間の習慣は1回では変わらないということです。

ライザップに1回だけ行って、筋トレの方法を教えてもらってもおそらく体型は変わらないでしょう

料理教室に1回だけ行って、ケーキの作り方を教えてもらってもおそらく8周目までには自己流の作り方、もしくは全く作らなくなっているでしょう

歯磨き指導も1回だけ受けても、ほとんどが自己流になってしまうのです。。

理由の2つ目は、歯ブラシでは歯ぐきの下3mm以上は届かないからです。

歯周ポケットが4mmを超えてある場合は、そこが治る前に歯周病治療をやめてしまうとまた歯ブラシで除去できない位置で細菌が再び繁殖してしまいます。

そのため、歯磨き指導と、歯科衛生士さんのクリーニングを繰り返して治るまで続ける必要があります

<歯周病が治るまでの行程>

歯科衛生士さんがクリーニングで歯ぐきの下の細菌・歯石を除去します

歯磨き指導を受けた患者さんが、歯ぐきの下に細菌が溜まっていかないように歯磨きを継続します

すると歯ぐきの下の菌が減り、上皮バリアが回復します

上皮バリアが回復すると出血がへり、歯周病菌の栄養が減ります

そうするとさらに歯ぐきの下の菌が減り、また上皮バリアが回復します

この間に歯科衛生士さんは患者さんの歯磨きの質が落ちていないかチェックします

というのを続けて出血がなくなったら治療終了です

<菌vs免疫>

つまり、免疫が負けない程度に細菌の量・悪性度をコントロールすることが大事になります

細菌は常在菌なので完全にゼロにすることは不可能です

そして、マウスウォッシュで唾液中の細菌が1/10に減らせたとしても、30分で2倍に増殖する菌なら2時間で元通りになります
(マウスウォッシュの効果については以前の投稿を参考に)

一番大事なのは歯に細菌が付き続けて、悪性度の高い菌が増えないように歯磨きで毎日取り除くことです

そうすることで常在菌に対して免疫が負けることが起きない環境を作ることが歯磨きの目的です

ただの食べかすを取る作業ではないんです!みなさんは正しく歯磨きできてますでしょうか?

セルフ歯周病チェックしてみてください!複数当てはまる人はすぐに歯医者さんへ相談しましょう!

ではまた!

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@yutaohara023

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