みなさんこんにちは!歯科医師の大原(@yutaohara023)です
さて、今日はこんな質問をいただきました。
「保険治療ってあんまもたないんですよね?やりかえ前提なんですか?」
ということで、以前にも投稿したことのある銀歯の寿命に加えて、CRというプラスチック樹脂を使った治療の寿命についてお話させてもらいます
<結論>
平均5-7年で再治療になると言われています
<解説>
岡山大学の森田教授らの研究ではCRやインレーは平均でおよそ5年、クラウンでは7年程度で再修復になると報告されています
保険治療はやりかえ前提というとあれですが、
義手・義足も一生使えないのと同じで、口の中という過酷な環境下で使用しているため劣化して隙間ができてきて虫歯になったりもします
「10年もてば成功。」保険のCRなどはそういわれることが多いのが現状です
前回紹介した青山先生らの研究でも被せ物は7-9年程度で再治療が必要となってました
これらは海外(日本のような安い保険診療がない)に比べてとても短いです
例えばこの前僕が勉強会に参加したゴールド修復は治療して10年もたなかったら大失敗です
もちろん日本の歯医者さんも保険治療で頑張って長く保つように治療しています。
しかしながら、材料の問題、時間の問題、健康意識の低さなどいろいろな要素があります
歯がなくなってからの治療は
インプラント、ブリッジ、入れ歯の3種類がありますが、
インプラントは保険が効かず高額…
ブリッジは隣の歯を大きく削ってしまう…
入れ歯は虫歯リスクが上がる+異物感がある…
といったデメリットがあり、やはり自分の歯がいちばん満足度が高いと思います
今日は自分の歯をどうやって守っていくか、対策をお伝えしたいと思います
<対策① まず虫歯にならない>
そもそも虫歯にならなければ治療が必要ないです。
本当に当たり前のことですが、海外と比べて、まずこれが一番違うところだと思います。
海外では治療費が高いため、虫歯にならないように子供の頃からチェックアップ(定期検診)に行ったり
虫歯になりにくいように歯並びを矯正で治したり、歯への意識が高いです
今からできることとして以前の投稿の虫歯対策まとめをもう一度ご覧になるといいと思います!
<対策② 定期検診に行く>
定期検診に行く意味は、1つは予防です。そしてもうひとつは早期発見・早期治療です。
PMTC(専門的な歯面清掃)・フッ素塗布・歯磨き指導を受けて虫歯・歯周病予防をすること
そして虫歯は小さいうちに治療をすることでどんどん歯を削る治療が大きくならないようにします
長崎大学の新庄教授らの研究では、
定期検診を受けていた方(予防来院型)は
痛み・問題がある時だけ来院した方(治療来院型)
に比べて、はるかに歯が無くならなかったという研究があります
予防は検診で3-4ヶ月に1回3000-4000円しかかかりません
治療は例えばブリッジになれば2万円以上治療費はかかり、歯を1本失って、隣の歯を2本大きく削るわけですから
予防の方がはるかにコスパがいいんです
自分の体は一生乗り続ける、パーツの取り替えが出来ない車と同じです
自分の歯を定期的に点検してますでしょうか?
もししばらく行っていない方はぜひ歯医者さんへ行ってください
<対策③ 精密な治療を受ける>
もし虫歯になってしまった場合、歯医者さんはどうするでしょうか?
時間をしっかりとって、精密な材料で、高品質な被せ物を入れる人がほとんどだと思います。
ピッタリと精密に作られた詰め物はやはり長持ちします
ただし、予防がしっかり出来ていることが前提になります。
予防ができていなければ、結局自分の歯が虫歯になっていきます
<いちばん大事なこと>
ここまで色々と話してきましたが、いちばん大事なのは「心構え」です
体を大事にする人、歯を大事にする人は自然と歯にとっていい行動をしています。
こちらから何も言わずとも、健康にいい情報を仕入れて、定期検診を受けて、虫歯にならないようにしています
ただ、中には歯の大切さに気づいていない方もいます
雑誌PRESIDENTでは健康の後悔トップ20の1位は「歯の定期検診に行けばよかった」です
歯は普段当たり前のように使っているものなので、失うまでなかなか大切さに気づくことができません
時間ができて、旅行が楽しくなってくる50-60代から歯を失いはじめ、そこで気付いて歯医者に通いはじめる方も多くいます
みなさんはこれからの人生でいちばん若い今日からしっかり予防していってくださいね
ではまた
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