みなさんこんにちは!歯科医師の大原(@yutaohara023)です
適切な切削・精密な材料・高度な技工作業・丁寧な合着、研磨で出来上がったゴールド修復は段差が全くなく、針のような器具で触っても全く引っかかりがなく感動しました。。
生涯これを学び続けたいなと思います
さて、この前は患者さんから
「歯磨き粉の歯周病予防って効果ないんですか?」
こんな質問を受けました
僕が今までに歯磨き粉で「これが歯周病予防におすすめです!」と言ったことがないのを知られてのことで
お答えします!
<結論>
特定の成分が歯周病改善に長期的に役立つという報告はほとんどありません。
短期的にはあるものもあります
<解説>
歯肉炎・歯周病予防を表示できる成分としては
歯肉の炎症、出血を防ぐ:トラネキサム酸
殺菌成分:CPC、塩化クロルヘキシジン、トリクロサン
などなど、さまざまなものがあります
しかしながら、長期研究で歯周病の改善に効果があったとされるものはトリクロサンくらいで、
それを否定する論文もあったり、体内に残留しやすい性質や、発がん性などの理由から現在は使用されなくなってきています
長期でなぜ効果が得られないのかというと、
① 歯周ポケットに潜む菌はバイオフィルムに守られている菌がほとんどだからです
排水溝のぬめりもバイオフィルムの一種なのですが、
中のバイ菌がそのぬめりに保護されていて薬剤が浸透しにくいんです
例えば、排水溝のぬめりを取ろうとする場合みなさんはどうしますか?
洗剤をかけても、歯磨き粉を塗っても、泡石鹸をかけてもダメなのが想像つきますでしょうか
薬剤でいうと次亜塩素酸(ハイター)くらい強いものを使わないと取れません
次亜塩素酸は手につくとすぐに指紋がなくなるくらい強力です
もちろん歯グキに使ったら化学火傷になること間違いないでしょう。
② それに加えて歯周ポケットの中というのは歯肉溝滲出液という液がものすごいスピードで湧き上がってきます(常に洪水のような状態です)
そのために薬効成分もすぐに洗い流されてしまいます
③ 歯磨き粉ではプラーク除去率は上がらないとされています
研磨剤や薬剤によってプラーク除去率はほとんど上がりません
<歯周病予防はどうすればいい?>
じゃあどうするか、
「物理的にこすり取る」のがやはり一番ということです
抗炎症作用などがある歯磨き粉では、細菌を物理的にこすり取った後の炎症の治りを早くする可能性があります
歯磨き粉に書いてある効果のほとんどが物理的に細菌が除去してこそ効果が得られるものだと思っていただいたらいいです
その歯磨きができているかどうかは定期検診でしっかりみてもらってください
<歯磨き粉をつける意味は?>
フッ素を唾液中に増やして虫歯になりにくくするため!です
そして、それを最大限に効果を発揮するためには何度も言ってますが、ゆすぎすぎないことが大事です
1450ppmFの歯磨き粉を使って、ゆすぎは1回15mlのお水で!です
いかがでしたでしょうか?
歯磨き粉の知識がまた少し増え、みなさんがいい歯磨き粉に出会えるお手伝いができたらと思います
ではまた
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